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ファンビジネスという言葉がありますが、その構造として、最初から「関係性が価値」のものと、「実利が価値」のものが混在しているものとがあります。
ここを混ぜたまま話すと、どちらの話をしているのかがズレて、結論もズレやすくなりますので、それぞれ分けて書いていきます。
推しや応援が主役になる型
まず一つ目は、推しや応援が主役になる型です。
アイドル、好きな球団、好きなサッカーチームなどがこれに近いです。
この型は、好きだから払う、応援したいから払う、同じ空間にいたいから払う、という構造です。
良い悪いではなく、関係性そのものが価値になっています。
この型は、恋愛に少し似ています。
理屈や損得よりも、感情の比重が上がりやすい。判断基準が一時的にズレることもあります。それを前提にして、エンタメとして成立している部分が大きいと思います。
実利が主役になる型
二つ目は、実利が主役になる型です。
学び、支援、技術習得、コンサルティング、カウンセリングのような領域がここに入りやすいです。
講師に「ファンです」という受講生がいるケースがあるように、これもファンビジネスに当てはまります。
この型は、本来「こういう結果が得られるからお金を払う」という構造です。つまり、関係性は手段で、主役は実利になります。
目的と手段が入れ替わるとき
ここで起きやすいのが、目的と手段の入れ替わりです。
最初は、上達したい、解決したい、楽になりたい、という実利が入口だったのに、いつの間にか「この人についていきたい」に変わっていく。
この瞬間に、空気が変になります。
破綻とまでは言いませんが、バランスが崩れやすくなります。
支援職において怖いのは、ここです。
支援は本来、相手を自立に向けて進める役割のはずなのに、信者化や依存が起きると、その目的と収益がねじれやすい。
本人に悪意があるかどうかは関係なく、構造としてそうなり得ます。
ファン同士の嫉妬という副作用
もう一つ、ファンビジネスが加熱すると起きやすい副作用があります。
ファン同士の嫉妬です。
古参がにわかを攻撃する。
うまいことやりやがって、という空気が出る。
これは性格の問題というより、席が希少なときに起きやすい現象です。
主催者の反応、個別対応、名前呼び、特別扱い、距離の近さ。それが希少になればなるほど、奪い合いが始まります。
だから運営側には、「この線より来ちゃダメ」という境界線を、言葉だけでなく構造で持つ必要があります。
- 距離や特別扱いが価値になりすぎないようにする。
- 曖昧な優遇が起きないようにする。
そういう設計がないと、熱量が高いコミュニティほど勝手に荒れます。
実利型の例としての吉野家
ここで、実利型の例として分かりやすい話があります。
筆者は吉野家が好きです。
看板が好きというより、そこで「うまい牛丼を素早く食べられる」から好きです。
昔は、並か特盛かを伝えるだけで済みましたが、最近は、メニューが増えて、注文の手順が増えて、パネル操作も必要になったりしている店も増えてきました。
この瞬間、筆者の中で「実利がズレた」と感じるわけです。店が悪いという話ではありません。
ただ、筆者が払っていた価値が、そこで変わってしまう。
「選択肢が少ない!早い!うまい!」➡︎「豊富なメニュー!面倒、昔ほど早くない!けど、うまい!」
実利型は、こういうズレに敏感です。
一方で、推し型は、多少のズレがあっても残ることがあります。
それは、好きという関係性が中心だからです。
ファンビジネスを運営するなら安全設計とバランス感覚を
だからこそ、ファンビジネスを語るときは、まず「自分が扱っているのはどちらの型か」を分けて考えたほうがいいと思っています。
- 推し型は、熱狂を扱うなら、それ相応の安全設計が要ります。
- 実利型は、実利から関係性へすり替わった瞬間に、バランスが崩れやすい。
どちらも、善悪ではなく、構造の話です。
いま自分がやっているのは、どちらの型に近いでしょうか。
そして、その型の副作用に対して、境界線やルールは用意できているでしょうか。
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