「早く形にしたい」焦燥の正体とビジネスの速度を構造から変える「濃度設計」

仕事が遅いのは、あなた、または担当者の作業が遅いのが原因ではなく、作業を加速させるための『補助輪(外部)』か『加速器(設計)』のどちらを選ぶかという意思決定のミスが、停滞の正体だと考えられます。
早く結果を出すために
誰でも、早く形にしたいと思うことがあります。
遅いのが悪いわけではないけれど、今は早く実現したい。
そういう局面は、誰にでもあります。
ただ、ビジネスのスピードは「頑張って手を動かす」だけで上がるものでもありません。
どこで時間が詰まるのか。
どこを短縮できるのか。
その“構造”を先に見たほうが、現実的に速くなります。
ここでは、スピードの上げ方を大きく二つに分けて整理します。
第1章は、外から力を借りて加速する方法。
第2章は、あえて濃度を上げて後半を加速させる方法です。
外から力を借りて、実現を早める
不慣れなことでも、やればできる人はいます。
自分で全部やり切れてしまう人ほど、最初はそれで進みます。
ただ、自分でやれることと、自分でやったほうが速いことは別です。
自分がやれば確実に形にはなる。
でも自分がやると時間がかかる。
そのときに選べるのが、外から力を借りる方法です。
たとえばアウトソーシング。
苦手なことや、時間がかかる工程を任せる。
自分の手を増やすというより、実現までの時間を買う感覚に近いかもしれません。
もうひとつ、流入で加速する方法もあります。
ホームページを作っても、検索で見つけてもらうには時間がかかります。
それを待てないとき、SNSや動画サイトから流入を作り、先に動かすことができます。
こういう“外部の力”を使う加速もあります。
こうした方法は、うまくいくと一気に早くなります。
ただし、速くなる方法には、だいたいリスクも一緒に付いてきます。
アウトソーシングなら、外注先の質や相性で詰まることがあります。
途中で揉めたり、相手側の事情で止まったりすることもある。
SNSや動画からの流入も、続けないと止まりやすい。
速くなる一方で、止まる理由も外側にできます。
だからここは「外から借りるほど速い」という単純な話ではなく、どこに依存するかの選択になります。
速さを優先するのか。
止まりにくさを優先するのか。
学びとして自分に残すことを優先するのか。
何を優先するかで、選び方が変わります。
遅く見えるのに、あとで速くなる「濃度」
もう一つの加速は、見え方が逆です。
短期的には遅く見えるのに、あとで速くなるやり方です。
ここでは、「丁寧にやる」ことではなく、物事の成り立ち(Structure)を可視化し、迷いのノイズを排除する設計作業に注力することが肝要となります。
それが、仕事の濃度を上げることです。
準備をしっかり取る。
設計を固める。
段取りを詰める。
最初の一定期間だけ、密度を上げる。
これをやると、着手が遅く見えることがあります。
でも、ここを薄く済ませると、別の場所で時間を失いやすいです。
途中で迷う。
判断が揺れる。
確認が増える。
手戻りが起きる。
人に頼むにしても指示が曖昧になり、やり直しが増える。
その結果、動いているのに進まない状態になります。
逆に、最初に濃度を上げておくと、動き出してからの速度が上がります。
迷いが減る。
差し戻しが減る。
人に任せるにしても、伝える内容が整理される。
だから巡航速度が上がるんですね。
具体例:ECサイトやナレッジサイト
ここは、ECでも同じです。
まだ商品販売をしていない段階から、商品開発日記のような形で発信を始める。
作りながらリサーチも進み、興味関心も育っていく。
その状態で販売を始めるのと、何も出さずに販売を始めるのとでは、初速が変わります。
準備期間が「止まっている時間」ではなく、前に進む時間として働くからです。
筆者の例をひとつ挙げるなら、このサイト『構造的問題解決思考集 as-i』も近い作り方をしています。
思いついた日から公開日まで、ずっと水面下にいたわけではありません。
記事がどこまで進んだか、どんなレイアウトになってきたか、プレオープンをどうしたか。
途中の進捗を、インスタなどで少しずつ外に出してきました。
AIを搭載した、というような変更も、途中で共有できました。
こういう進捗があると、完成した瞬間に初めて知るのではなく、「出来上がったんだな」と思って見に来てもらいやすくなります。
結果として、公開の初動が変わります。
筆者は個人的に、この型が自分の設計に合っています。
焦って動きを増やすより、最初に濃度を上げてから動く。
そのほうが結果として速くなる場面を、何度も見てきたからです。
スピードは、初速の速さだけで決まらない。
走り続ける速さで決まる。
濃度の設計は、その“走り続ける速さ”を上げる方法です。
最後に、問いを残して終わります。
もし、最速でゴールに辿り着きたいと決めた時、あなたは、一度立ち止まって『濃度』を上げる勇気を持てますか?
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