発信しても反応がない時の入り口のずらし方|相手のフェーズに合わせる構造

【この記事の視点】発信しているのに反応がない。そのとき「内容が悪いのか」「頻度が足りないのか」と考えてしまいがちです。ただ、原因の多くは内容の質ではなく、誰のフェーズに向けて発信しているかのズレにあります。伝えたいことをそのまま発信しても届かない理由と、相手のフェーズを起点にした発信設計の構造を見ていきます。
反応がないとき、何を疑うか
発信を続けているのに反応がない。
このとき、多くの人は「内容が悪いのか」「もっと頻度を上げるべきか」「プラットフォームが合っていないのか」という方向で考えます。
もちろんそれも一因になることはあります。ただ、もう一つ確認しておきたいことがあります。
その発信は、今どのフェーズにいる人に向けて書いたか。
これが噛み合っていないと、内容がどれだけ正しくても反応は起きません。
対面と発信の違い
対面であれば、相手の現状を直接聞くことができます。「今どんな状況ですか?」「これについてはどこまで把握していますか?」という確認を入れるだけで、相手のフェーズが見えてくる。
ただ、発信ではそれができません。
読んでいる人が今どの段階にいるのか、何を知りたい状態なのか、直接確認する手段がない。だから代わりに、相手のフェーズを「想像する」ことが必要になります。
フェーズが低い人ほど、抽象より具体が刺さる
「健康になりたい」と思っている人に「規則正しい生活を心がけましょう」と伝える。間違ってはいません。ただ、その人が今日から何をすればいいかは見えない。
同じ相手に「納豆とキムチを食べてください」と伝える。内容としては一段具体的になっただけです。でも、今日できる。だから動ける。
フェーズが低い段階にいる人ほど、概念より行動の一つが刺さります。「腸内環境を整えましょう」より「納豆食え」の方が届くのは、その人のフェーズに合っているからです。
正しいことを言うことと、今その人に届く言葉を選ぶことは、必ずしも同じではありません。
目的と入り口をずらした実例
以前、「ひよこの起業塾」というサイトを運営していました。as-i.jpの前身にあたるサイトで、名前からも分かる通り、事業の初心者をターゲットにしたものです。
このサイトは、ホームページ制作の営業ツールとして設計しました。ただ「ホームページを作りませんか」とは一度も言いませんでした。
まず入り口として、事業初心者が今まさに困っているであろう問題を想像して記事を置いていきました。
メールの署名の書き方、文章の折り返し行数、ショートカットキーの一覧。そういった細かい、でも初心者には切実な情報を300記事以上書きました。
次に、読者が少しずつフェーズを上げていけるよう、中間の記事を増やしていきました。
「SNSがあってもホームページが必要な理由」「友人に無料で作ってもらうと後から困ること」など、ホームページの必要性に自然に気づいていくような記事です。売り込みではなく、検討する前に知っておくべきことを淡々と書いただけです。
そしてその先に「ホームページを作る前に知っておきたいこと」という記事を置き、リスクの説明と料金表示を全部書きました。
すごく遠回りのように感じるでしょうが、結果として、検討フェーズに入った人が自然にそこへ辿り着いて、自分から連絡してきましたのです。
3段階の設計はこうなります。
- 第1段階:
初心者が今困っていること(署名・ショートカット等)→入り口 - 第2段階:
ホームページの必要性に気づく記事群→必要性の醸成 - 第3段階:
作る前に知っておくべきこと・金額明示→検討フェーズの着地点
「買いませんか」を一度も言わずに受注できたのは、相手のフェーズを順番に想像して、それぞれの段階に必要な情報を置いたからだと考察しています。
伝えたいことと入り口をずらす設計
自分が伝えたいことを、そのまま発信しても届かない場面があります。
相手が今いるフェーズを想像して、そこに刺さる言葉を入り口にする。その入り口から入ってきた人が、少しずつこちらの伝えたいフェーズに近づいてくる。その積み重ねが信頼になります。
フェーズを想像するための材料は3つあります。
- 1つ目
自分の過去のフェーズを思い出すことです。かつて何も知らなかった頃、何で困っていたか。何を検索していたか。当時の自分が欲しかった言葉が、今の読者に刺さる言葉に近いことが多いです。 - 2つ目
検索クエリを手がかりにすることです。実際に検索されている言葉は、そのフェーズの人が今持っている問いそのものです。「集客 やり方」と検索している人と「集客 愛」と検索している人では、いる場所が全然違います。 - 3つ目
反応がなかった発信を振り返ることです。刺さらなかった理由がフェーズのズレだったと気づくだけで、次の発信の設計が変わります。
自分が伝えたいことを、そのまま発信して反応がない場合は、フェーズがずれていないかの構造を見直すのも成果を上げるためのアクションの1つになると考えます。
FAQ(よくある質問)
- 相手のフェーズを想像しようとしても、読者像・視聴者層がぼんやりしていてうまくできません。
-
その場合は、読者像、視聴者層を広く設定しすぎていることが多いです。
「発信を見てくれる人全員」ではなく、「このテーマについて今まさに困っている具体的な一人」を想定する。その一人が今何を検索しているか、何を読んでも解決しないと感じているかを考えると、フェーズが見えやすくなります。
- フェーズに合わせた発信をすると、伝えたい本質から離れてしまいませんか?
-
離れるのではなく、届ける順番が変わるだけです。入り口はフェーズに合わせる。ただし、その先に伝えたい本質は変えなくていい。入り口から入ってきた人が少しずつこちらのフェーズに近づいてくる設計を持てれば、本質は必ず届きます。
編集後記
筆者は野球経験者でしたので、よくキャッチボールに例えるのですが、どんな豪速球、キレのいい変化球を投げても、まだそれを取る技術のない相手にはその「いい球」は受け取れません。まずは、球速を落として少しずつ慣らしていき、最終的に捕れるようになります。
専門的知識がない相手に、専門用語を使うのも同じです。セールスレターを作る時などは特に、「相手が中学生レベルでもわかる言語で」文章を作らないと、せっかくの良い文章もターゲットによっては理解すらできなく離脱してしまう可能性が出てきます。
「反応がないな」って感じたら発信しているフェーズを疑い、相手に合わせたフェーズに変えてみることで、タイトルやキャッチコピーや文章が伝わりやすくなります。
もっと構造理解を深める
入り口の設計ができたら、次は「自分に合った集客の構造」を確認しておきましょう。
👉 自分に合った集客方法の見つけ方|「何が流行っているか」より「構造理解」から始める
発信設計の全体像を俯瞰したい方は、集客・営業のロードマップからあわせて確認してください。
👉 集客・販売の「全設計図」を見る(マーケティング構造まとめ)


