アドバイスを実行する前に知っておくべきこと|「言われた通りにやったのに」が起きる構造

読了目安:約6分(3062文字)

【この記事の視点】アドバイスがうまくいかない原因は、アドバイスの質ではなく、受け取る側の「手順」が抜けている構造にあります。実行の前に必要な4つのステップを知っているかどうかで、同じアドバイスでも結果は変わります。

「言われた通りにやったのに、うまくいかない」

コンサルタントに相談して、言われた通りにやった。
本やセミナーで学んだことを、そのまま実行した。
努力もしたし、時間も費やした。
それなのに成果が出ない。

こういう経験をすると、
「やり方が悪かったのかな」
「自分には向いていないのかな」
「努力が足りなかったのかな」
と考えがちです。

でも、多くの場合、やり方が間違っていたわけではなく、実行するまでの「手順」が抜けている事が大半です。

そもそもアドバイスというのは、それ単体では機能しません。
自分の状況に合った形で受け取り、実行し、結果を返すという一連の構造があって、初めて効果が出ます。

この記事では、アドバイスを実行する前に知っておくべき4つの手順を整理します。

ステップ1:自分の現状を整理する

アドバイスを求める前に、まず自分の状況を「情報」という形にしておく必要があります。

「動画の再生数を上げるにはどうしたらいいですか?」
「SNSでバズらせるにはどうしたらいいですか?」
「ホームページのアクセスを上げるにはどうしたらいいですか?」

こういう聞き方をすれば、返ってくるのはテンプレートです。

これはコンサルタントが悪いわけではありません。
情報が足りなければ、一般論で答えるしかないからです。

試しに、AIに「動画の再生数を上げるにはどうしたらいいですか?」と聞いてみてください。

一般的なテクニックが並ぶはずです。

次に、「こういう業種で、こういうターゲットに向けて、今こういう状況で、過去にこういう施策をやって、こういう結果だった。この状況で再生数を上げるにはどうしたらいいですか?」と聞いてみてください。

答えがまったく変わるはずです。

アドバイスの質は、渡す情報の質で決まります。

もし自分の現状をうまく整理できないなら、「整理の仕方」からアドバイスをもらう。
それも立派な第一歩です。

「何を聞けばいいかわからない」という状態を正直に伝えることが、最も正確なアドバイスを引き出す出発点になります。

ステップ2:誰にアドバイスを求めるかを選ぶ

「物知り」と「コンサルタント」は違います。

たくさんの知識を持っていて、聞けばすぐに答えが返ってくる人がいます。
一見頼りになるように見えますが、ここに落とし穴があります。

見分け方はひとつです。

答える前に、あなたの背景を聞いてくるかどうか。

「なるほど、それはこうすればいいですよ」と即答する人は、あなたの問題を解いているのではなく、自分の持っている答えを当てはめているだけです。

背景を聞かずに出てくる答えは、誰に対しても同じ答えです。

優秀なコンサルタントほど、状況を細かく確認します。

「今までどういうことをやってきましたか?」
「今、何が一番困っていますか?」
「それはいつから起きていますか?」

このように答えを出す前に、問いを重ねます。

その問いがない人のアドバイスは、テンプレートだと思っておいていいと思います。

ステップ3:実行する

ステップ1で現状を整理し、ステップ2で適切な相手を選んだ上で、初めて実行に移ります。

ここで気づくことがあるはずです。

1と2を経た上での実行は、「言われたからやる」とは感覚がまったく違います。

なぜそれをやるのかの理由が見えている状態で動くので、途中で判断に迷った時にも自分で軌道修正ができます。

逆に、1と2を飛ばしてテンプレートをそのまま走らせると、途中で想定外のことが起きた瞬間に止まります。

「言われた通りにやったのに」が発生するのは、この構造です。

例えば、「毎日投稿しなさい」と言われ1ヶ月毎日とにかく投稿した人と、やる理由や投稿時に気をつける事、タイミングの基準、反応の分析をしながら毎日投稿した人では、起きる結果も変わってくるわけです。見えてくるものも変わってきます。

ステップ4:フィードバックを返す

実行したら、その結果をアドバイスをくれた人に戻してください。

「やってみたらこうなりました」
「ここはうまくいったけど、ここでつまずきました」
など、この情報を返すことで、次のアドバイスする側の精度が上がります。

相談というのは、一回で完結するものではありません。

現状を渡し、アドバイスを受け、実行し、結果を返す。

この循環を回すことで、アドバイスは初めて「自分の状況に最適化されたもの」になっていきます。

フィードバックを返さない人は、毎回ゼロからの相談を繰り返すことになります。

それでは、どれだけ優秀なコンサルタントからのアドバイスでも精度は上がりません。

「やり方を知っている」と「構造を知っている」は別物

多くの人がアドバイスによって「ノウハウをもらえばうまくいく」と思っています。

しかし、これは「知っている」の段階です。

でも、そのノウハウが機能するためには、構造があることを知らない人にとっては、結果を出しにくいです。

現状を整理する、相手を選ぶ、実行する、フィードバックを返す。

この4つの手順を持っているかどうかで、同じアドバイスを受けても結果が分かれます。

アドバイスの質は、アドバイスする側だけで決まるものではありません。

受け取る側の構造が整っているかどうかで、まったく同じ言葉が「テンプレート」にも「最適解」にもなります。

実行する前に、まず自分の手順を確認してみることをおすすめします。

FAQ(よくある質問)

現状を整理するといっても、何をどう整理すればいいかわかりません。

完璧に整理する必要はありません。「今やっていること」「困っていること」「過去に試したこと」、この3つを書き出すだけで十分です。それすら難しければ、「何を聞けばいいかわからない」とそのまま伝えてください。正直な現状報告が、最も正確なアドバイスの出発点になります。

コンサルタントに背景を聞かれなかった場合、こちらから伝えた方がいいですか?

はい。相手が聞いてこないなら、自分から伝えてください。それでも背景を踏まえた回答が返ってこない場合は、その相手はあなたの状況を分析する力がないか、関心がないかのどちらかです。アドバイスの相手を見直すサインだと考えてください。

編集後記

このサイトも例外ではないですが、ネット上にはビジネスのノウハウや考え方が豊富に存在しています。アドバイスをする側には、「ただ聞きかじったこと」を伝えているに過ぎない場合も出てきます。

だからこそ、アドバイスをもらう際には、自身の現状をしっかり把握しアドバイスをもらえる相手にしっかり伝えることやアドバイスの信憑性を示す根拠などを確かめることで、「言われた通りにやったのに」という残念な結果を回避できる確率が上がります。

筆者自身、アドバイスを貰う側にも差し出す側にもなるので、再現性という観点からもこだわりを持ってより組むようにしています。

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