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新しく営業職に就くとき、あるいはフリーランスとして自ら仕事を獲得しなければならなくなったとき、多くの人が共通の不安に直面します。
「自分に務まるだろうか」「断られるのが怖い」
こうした不安は、しばしば個人の性格や資質の問題として片付けられがちです。しかし、営業現場での疲弊や停滞の多くは、能力不足ではなく「構造の未整備」から生まれています。
今回は、営業プロセスを可視化するフレームワーク『ザ・モデル』を補助線に、営業という活動を客観的に捉え直す視点を探ります。
「営業に向いていない」という違和感の正体
営業を「対人交渉」や「説得」という一つの大きな塊として捉えてしまうと、成果が出ないときに「自分の人格やコミュ力が否定された」と感じやすくなります。
不安の原因は、全体像が見えないまま、予測不能な相手の反応に振り回されることにあります。目的地が分からないまま暗闇を歩けば、誰でも足がすくむものです。
まずは、営業という仕事を「一つの才能」ではなく「複数の工程の組み合わせ」として分解してみることが、視点を切り替える第一歩となります。
営業を4つの工程に分解する『ザ・モデル』の視点
『ザ・モデル』とは、営業プロセスを以下の4つに分ける考え方です。
- マーケティング(認知):接点のない相手に、まず存在を知ってもらう。
- インサイドセールス(橋渡し):興味を持った相手と対話し、課題の有無を確認する。
- フィールドセールス(提案):具体的な解決策を提示し、契約を交わす。
- カスタマーサクセス(伴走):導入後に満足してもらい、長期的な関係を築く。
このように分解すると、例えば「契約が取れなかった」という事象も、「提案の内容が悪かった」のか、あるいは「そもそも課題がない相手に橋渡しをしていた」のか、構造的に切り分けることが可能になります。
「自分がダメだ」という感情的な反省から離れ、「どの工程の設計を見直すべきか」という冷静な分析に移行できるのです。
「一人で全工程を担う」際の、脳の設計ミスを防ぐ
フリーランスや中小企業の営業担当者は、これら4つの役割を一人でこなす必要があります。ここで発生するのが「モードの混濁」による疲弊です。
見知らぬ人にアプローチする「攻め」の脳と、既存顧客に寄り添う「守り」の脳を、数分おきに切り替えるのは非常にコストがかかります。4これを根性で乗り切ろうとすると、精神的なゆとりが失われます。
対策は、精神論ではなく「時間割」という設計です。
「午前中はインサイドセールスの電話のみを行う」
「午後はカスタマーサクセスのメール返信のみ」
といったように、役割ごとに時間を区切る。脳のモードを固定することで、迷いや摩擦を減らす工夫が求められます。
また、全てを自分の言葉で語ろうとせず、よくある質問をテンプレート化したり、ツールを導入したりすることも、「仕組みに仕事を任せる」という重要な戦略です。
信頼構築という「低コスト化」の仕組み
よく言われる「元気な挨拶」や「迅速なレスポンス」は、単なるマナーや精神論だけではありません。
これらは、その後のプロセスをスムーズに進めるための「信頼の基盤作り」という合理的な活動です。
最初の接点で「この人は約束を守る」「反応が早い」という認知(信頼)を獲得しておくことは、後の提案フェーズにおける説明コストを劇的に下げてくれます。
社会人としての基本を整えることは、自分自身の仕事を後から楽にするための「前倒しの設計」といえるでしょう。
正解のない現場に「遊び」を持たせる
仕組みや構造を整えたからといって、全ての営業が成功するわけではありません。
相手も人間である以上、そこには必ず計算できない変数が残ります。
しかし、自分の動きを「構造」という地図に当てはめていれば、うまくいかない時でも「単なる自分の実力不足」と決めつけずに済みます。
「今日はどの工程を丁寧にこなせただろうか」
一喜一憂の波を少しだけ穏やかにするために。完璧を目指して自分を追い込むのではなく、仕組みという視点を取り入れて、心に少しの「遊び」を作ってみてるのも良いかと思います。
「もっとSNSを更新しなきゃ」「もっと目立たなきゃ」と必死に活動しているのに、問い合わせに繋がらない。 そんなとき、多くの人は「自分の努力が足りないせいだ」と自分…
■ 「頑張ればなんとかなる」という幻想を捨てるタイミングです。
上手くいかない時、多くの人は「努力の量」を増やして解決しようとします。しかし、設計(構造)が歪んだままでは、頑張るほどに心身を削り、事態を悪化させるだけです 。
筆者自身、積極的なPR活動をせず、紹介と「招待」だけで仕事の循環が安定する構造や、意志の力を頼らず構造的習慣化による20kg減量は、43年の実務経験から生まれた、やり方の前に「構造」を整える重要性です。
■ このサイトについて:
当サイト「as-I」は、2013年にドメインを取得して以来、一貫して「構造による問題解決」をテーマとしています。13年前の設計図が今の実務においてもそのまま機能しているという事実に基づき、その構造を具体化した記事を現在も積み上げ、記録し続けています。
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