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「好きなことを仕事にしたい」は耳障りがいい
「好きなことを仕事にしたい」
この言葉は、とても気持ちがいいです。
でも、気持ちがいい言葉ほど、細部が曖昧なまま進みやすいところがあります。そして曖昧なまま進むと、途中で一気に苦しくなります。
好きだからこそ妥協ができない。
好きでやっているからこそ、値段のつけ方がわからない。
好きなはずなのに、苦手な作業が混ざった瞬間に止まる。
これは根性の問題ではなく、最初の設計が曖昧だっただけ、ということが多いです。
「好き」の定義が曖昧なままだと、話が崩れる
まず、いちばん最初に整理したいのはここです。「好き」って、何を指しているのか。ここには大きく2つの種類があります。
- ジャンルとしての好き:
野球が好き、歌が好きなど。
- 形そのものへの好き:
プロ野球選手になりたい、歌手になりたいなど。
同じ「好き」でも、必要になる条件の数が違います。
尖った形(職業名そのもの)を狙うほど、席は少なくなり、求められる水準も上がります。だから、好きが尖っているほど、ハードルは高くなりやすい。
逆に範囲を広げれば、ハードルは下がります。
(例:野球関係の仕事に着く、歌手のマネージャーになる。芸能関係の裏方になるなど)
ここは、最初に知っておいたほうがいい構造です。
才能のある人は、好きで始めたように見えるだけのこともある
世の中には、少し歌っただけで「うわ、すごい」となる人がいます。
そういう人は、本人の意思より先に、周りが放っておかないため、結果として「好きなことを仕事にした人」に見えます。
でもそれは、最初から「仕事として成立する条件」を持っていた、というだけの話でもあります。
このタイプを見て「自分もああなりたい」と思ってしまうと、同じ言葉を使っているのに、現実が全然違うことが起きます。ここは分けて見たほうが楽になります。
「好きなことを仕事に」は一本化だけではありません
好きなことを仕事にする、という言葉は、すぐに「それだけで食べていく」に寄りがちです。でも実際は、もっと幅があります。
- アルバイトをしながら、好きな活動を続けている人。
- 副業なのか本業なのか、本人もよくわからない状態の人。
- 年に数回だけライブをして、知り合い中心で30人くらい集めてお金をもらっている人。
これらも現実には「好きなことを仕事にしている」の範囲に入ります。
生活の柱は別の仕事が担っていてもいい。ここは良し悪しではなく、「どういうサイズで回すのか」という設計の問題です。
どこまで行きたいかを決めないと、全部がブレる
テレビに出るレベルや、武道館を満員にするレベルを目指す人もいれば、そこまで目指さない人もいます。
「ここまでは行きたい」
「このくらいまで形になれば、胸を張れる」
そういう地点を先に置くことです。
憧れはスタートにはなりますが、設計がないと途中で止まりやすい。どこまで行くかを決め、そこに向かう段階を分ける。これは精神論ではなく、構造の話です。
段階を分けると、現実が扱いやすくなる
好きなことを仕事にする道は、いきなりゴールに飛ぶ話ではなくて、階段を上がる話になりやすいです。
- 小さく回す。
- 比重を上げる。
- 胸を張って名乗れる状態に近づける。
- 必要なら、一本化する。
こうして段階に分けて考えると、「今はここで起きている」と整理できます。
逆に、分けずに「好きだから全部やる」で進むと、値段交渉や苦手な作業などの現実が急に重く感じてしまいます。
需要があるかどうかで、難易度が変わる
好きなことを仕事にする際、もうひとつ避けて通れないのが「需要」です。
仕事として回すなら、誰かの中に「それ欲しい」が存在している必要があります。ここで現実が分かれるのは、だいたい次の3つです。
- 需要がすでにあるのか。
- 需要は薄いけれど、作れそうなのか。
- そもそも需要がほとんどないのか。
需要があるなら「どこにいるか」を探し、薄いなら「どう見せたら必要になるか」を組み直し、ないなら「好きのまま続けるか、形を変えるか」を選ぶ。
現状がどれなのかを知るだけで、打てる手が変わります。
需要がないなら、作れるのか
需要がないと聞くと、否定されたように感じる人もいます。でもこれは価値の話ではなく、市場の状態の話です。
そして、需要は「発見する」だけじゃなく、「作られる」こともあります。ただし、需要を作るには時間がかかります。
- すぐに売れない期間があるかもしれない。
- 説明し続ける必要があるかもしれない。
- 何度も同じことを伝える必要があるかもしれない。
ここは「覚悟の確認」が起きる場所です。需要がないなら、作るための設計が必要になります。
需要を作るために、何をするか
需要を作るときに起きているのは、才能勝負というより「伝わる形への変換」です。
好きなことを、そのまま出すだけだと届かない。
相手が「自分の問題が解決する」と感じる形に翻訳する。
その結果として、お金が動きます。この変換ができると、好きが仕事になりやすくなります。
ノイズが出るのは、構造上ふつうに起きる
小さく回している段階は、とくに外野のノイズが入りやすいです。「それ仕事なの?」「ちゃんと働けば?」といった言葉が飛んでくる可能性はあります。
これはあなたの価値が低いからではなく、まだ周りから見えやすい形になっていないだけ、ということもあります。
行動が積み上がってくると、空気が変わります。
疑われにくくなり、応援されやすくなる。
周りを黙らせるために頑張るのではなく、自分の中でぶれない軸ができると、ノイズをノイズとして処理できるようになります。
何から始めるかは「観察」からでもいい
何から始めたらいいかわからなくなったとき、最初にやる価値があるのは「モデルケースの観察」です。すでに先にやっている人を、よく見ることです。
- どんな生活をしているのか。
- 何を捨てて、何を優先しているのか。
- どんな条件(時間、投資、環境)を持っているのか。
テクニックを盗むためではなく、その道に必要な「前提条件」を知るためです。
真似しなきゃいけないわけではなく、現実の条件を知って、自分の設計に戻す。これができると、好きが空回りしにくくなります。
好きなことを仕事にするなら、最初に構造だけ知っておく
好きなことを仕事にするのは、夢の話ではなく、設計の話です。
好きで始めるのは自由ですが、好きで始めるなら、途中で必ず現実が混ざります。
だから最初に、構造を知っておいたほうがいい。
- 好きの定義と尖り具合。
- 目指す地点と段階の設計。
- 需要の有無と、需要を作る視点。
- ノイズの扱いとモデルの観察。
ここが揃うと、うまくいく確率は上がります。
あなたの「好き」は、ジャンルに近いですか。それとも、その形そのものに近いですか。
そして、どこまで行けたら、自分の中で納得できそうでしょうか。
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