読了目安:約4分(2302文字)
【この記事の視点】AI生成ツールの普及により、Webサイトの「見た目(UI)」を整えるコストは限りなくゼロに近づきました。しかし、「業者かAIか」という二元論に終着点はありません。重要なのは、そのサイトが「運用の構造」を持っているかどうかです。AIが得意とするのは一瞬の完成形ですが、事業の成長に合わせて情報を循環させる「配管」までは設計してくれません。制作手段を問う前に、まずはサイトに何を背負わせるかという「構造思想」を確立すること。
その設計図がなければ、どんなに美しいサイトも「見つけられない拠点」で終わります。
最近は、プロンプトを入れるだけでそれっぽいサイトを作ってくれるAIが増えてきました。見た目も綺麗で、正直びっくりします。
なので、こう感じる人も増えています。
「もう業者いらないのでは、」と。
SNSを眺めていても「Web制作は、業者に頼むのとAIに作らせるのとどっちがいいのか?」みたいなポストも散見するようになりました。
ただ、この問いは「どっちが上か」ではなくて、「何を目的にするか」で答えが変わるタイプの話だと思っています。
AI生成のWebサイトの強み・弱み
まず、AIでサイトを作る強みはわかりやすいです。
- 早い。
- 初期コストが軽い。
- 見た目が整う。
- 試しに出して形にできる。
とくに「今すぐそれっぽいものが欲しい」ときに強いです。
一方で、弱いところもあります。
ここから先が少し大事で、弱いのはデザイン能力そのものというより、設計の領域です。
サイトは見た目ができれば終わりではなくて、運用される前提で育っていきます。
その運用を支えるのが、情報設計や導線設計です。
例えば。
- 何をトップに置くのか。
- どの順番で読ませるのか。
- どの記事同士をつなぐのか。
- 迷ったときの逃げ道はどこか。
- 問い合わせ前に不安を減らす情報はどこに置くか。
こういう「運用の構造」は、テンプレでは決まりません。
事業の中身、提供の範囲、読者の温度、優先順位で変わるからです。
AIは、見た目の完成形を出すのは得意です。
でも、その人の事業の文脈に合わせて「これから更新され続ける構造」を組むのは、まだ難しいことが多い。
筆者の感覚では、ここが差になりやすいです。
もう一つ、よく混ざるポイントがあります。
UI(見た目)は良いのに、UX(使用中の操作感)で迷う。
- 見た目は綺麗で、なんとなく安心感もある。
- でも、読者が次に何をすればいいかわからない。
- 操作中、自分がどこにいるのかもわからない。
- 情報はあるはずなのに、たどり着けない。
これはAIサイトに限らず、誰が作っても起きます。
ただ、AIは見た目を整えることに寄りやすいので、起きたときに気づきにくいんですね。
だから「綺麗=成果が出る」と思ってしまうとズレやすいです。
成果はマーケティングの話になりますが、制作の段階でも最低限の設計は必要になるので、その方面で熟練したWeb制作のプロにお願いした方が成果が出やすくなることがあります。
前の記事でも触れましたが、記事は単発で置くだけだと、見つけられ方が安定しにくいことがあります。
関連する記事同士をつなぎ、目次や導線で読み手が自然に移動できる状態にしておく。
筆者は、この接続の設計を、配管工事と呼んでいます。
この配管が整うと、見た目だけ整えたサイトよりも、検索でも参照でも“見つけられ方”が安定しやすくなります。
コスト面での比較
AIツールは、月額課金が多いです。
安く見えるけれど、自由度に制限があることが多く、長く使うほどコストが積み上がっていくタイプです。
一方でWeb制作業者は、初期費用がかかるケースが多いですが、自分にあった設計を細かい部分まで設計でき、資産としても残り、拡張や変更の自由度が高い場合が多いのが利点です。
もちろん業者側もピンキリなので、ここも断定はできません。
ただ「初期で安い」か「長期で育てる」かで、コストの見え方は変わります。
業者のサポート体制も選択基準の一つになるでしょう。ここは本記事では深追いしません。
AIが向く人・業者依頼が向く人
ここまでを踏まえて、こう整理してみました。
AIが向く人。
- とにかく早く形が欲しい
- まずは名刺代わりで十分
- 検索されなくても身の回りの紹介で回る
- 試作を繰り返して方向性を掴みたい
- 更新はそんなにしない予定
業者が向く人。
- 事業として育てたい
- 更新しながら蓄積させたい
- 配管工事を前提にしたい
- 問い合わせや購入までの導線を整えたい
- 後から拡張したい(機能追加・改善・ABなど)
- Web作業は任せて、本業に集中したい
このように、どちらが正解、というより、サイトに何を背負わせるかで選び方が変わります。
この基準で選択するのが現実に近いと思っています。
そして、ここが一番言っておきたいところです。
AIで作っても、業者に頼んでも、サイトの「配管工事」を知らなければ、結局「見つけられない拠点」になりやすい。
逆に言うと、配管工事の考え方を知っていれば、AIで作ったシンプルなサイトでも、運用で育てられる余地が出てきます。
だから筆者の場合は、「制作手段」の前に、「構造思想を先に持つ」方が強いと思っています。
とはいえ、ここは人・業者・AIによります。
あなたの目的は、見た目を整えることですか。
それとも、見つけられ、読まれ、次につながることですか。
同じ「サイトを作る」でも、目的が違えば、選び方も変わります。
もっと構造理解を深める
検索やAIに「点」で拾わせるのではなく、「面」で認識させるための配管技術。
👉書いた記事を「見つけられやすくする」構造設計|note,Wordpress
【この記事の視点】「書いたのに読まれない」という悩みに対し、多くの人はSEO対策やSNSでの拡散という「外部への露出」を急ぎます。しかし、真の問題はプラットフォーム…
👉ツール&AIの全体像で「魔法の杖」に変える、適材適所の設計図を描こう!
道具を「魔法の杖」に変える、適材適所の設計図 ツールやAIを使いこなせないのは、あなたのITリテラシーが低いからでも、センスがないからでもありません。 その道具が持…
■ 「頑張ればなんとかなる」という幻想を捨てるタイミングです。
上手くいかない時、多くの人は「努力の量」を増やして解決しようとします。しかし、設計(構造)が歪んだままでは、頑張るほどに心身を削り、事態を悪化させるだけです 。
筆者自身、積極的なPR活動をせず、紹介と「招待」だけで仕事の循環が安定する構造や、意志の力を頼らず構造的習慣化による20kg減量は、43年の実務経験から生まれた、やり方の前に「構造」を整える重要性です。
■ このサイトについて:
当サイト「as-I」は、2013年にドメインを取得して以来、一貫して「構造による問題解決」をテーマとしています。13年前の設計図が今の実務においてもそのまま機能しているという事実に基づき、その構造を具体化した記事を現在も積み上げ、記録し続けています。
なお、当サイトのコンテンツはすべて無料で公開していますが、情報商材の販売やセミナー・コンサルティングへの勧誘を目的としたサイトではありませんので、どうぞ安心して読み進めてください。
このサイトの設計思想や筆者の詳細については、「構造的問題解決思考 as I とは」でご覧いただけます。