努力アピールを承認欲求で終わらせないPR設計

読了目安:約4分(2034文字)

【この記事の視点】この記事では、フリーランスや小規模事業者の発信で見かける「頑張ってます」の見せ方について、承認欲求とプロモーションの境界線という視点から整理します。
努力そのものを否定するのではなく、それが商品価値・提供価値として伝わるのか、それとも物語として消費されるのか。その構造の違いを扱います。

よくある「頑張ってます」の発信がズレるとき

よくフリーランスの発信を見ていると、自分の頑張りを一生懸命アピールしている投稿を目にすることがあります。

きっとその人は本当に頑張っているんだろうなと思いますし、それ自体を否定したいわけではありません。
むしろ、日々の積み重ねがあるからこそ仕事は成り立っています。

ただ、それを商品やサービスのPRのつもりで発信しているとしたら、少しだけ評価の軸がズレてしまうことがあります。

頑張っている事実と、提供価値として伝わるかどうかは、別の構造で動いているからです。

努力の話が価値の話にならない理由

たとえば、よく見かける表現として

「朝3時に起きて、眠い目をこすりながら仕込みをし、開店に間に合わせました」

というような投稿があったとします。

情景としては伝わりますし、努力も感じます。

ただ、これをそのまま商品価値として受け取るかというと、読み手は少し違う受け取り方をしてしまう可能性があります。朝3時に起きたこと自体は、その人の都合であって、買い手の判断材料にはなりにくいからです。

同じ事実でも「価値に翻訳」すると意味が変わる

一方で、同じ事実でも伝え方が変わると意味が変わります。

「朝3時から仕込みを行っています。開店時に一番状態が良くなるよう、発酵と温度管理の工程を逆算しているためです。」

こうなると、努力の話ではなく品質の話になります。

つまり、頑張りを語っているのではなく、頑張りが何を生んでいるかを語っている状態です。

ここに、承認欲求と提供価値の境界線があります。

苦労を見せてもいい場面はある

誤解してもらっては困るのは、努力を見せること自体が悪いわけではないということです。
むしろ、人となりが伝わる発信として機能する場面もあります。

常連性の高い飲食店などでは、「あの店主、今日も朝早くから仕込んでるらしいよ」といった話が、そのまま口コミの物語になることもあります。

ただ、この場合でも機能しているのは「苦労」そのものではなく、「物語」です。

なぜそこまでやるのか。
何を守るための習慣なのか。

そこに店の姿勢や流儀が乗ったとき、初めて語られるストーリーになります。

「物語になる感情」と「自己都合になる感情」

逆に、『眠い、つらい、でも頑張ってる』だけで終わる発信は、共感は生んでも、語り継がれる物語にはなりにくい。

ここが、承認欲求として消費される発信と、ストーリーとして残る発信の分岐点です。

プロモーションは大きく2つの型に分けられる

さらに整理すると、プロモーションには大きく2つの型があります。

ひとつは、提供価値・商品価値で選ばれる型です。

この場合、努力は工程として説明されることで意味を持ちます。

品質、安定性、再現性、安心感。そうした評価軸に翻訳されて、初めて価値として届きます。

もうひとつは、物語で巻き込む型です。

その人の背景や日常、苦労そのものがコンテンツとなり、応援や共感を軸に人が集まります。

このスタイル自体は成立しますし、否定されるものでもありません。

巻き込み型は「表現の設計」を誤ると逆効果になる

ただし、この型は表現を誤ると「応援したくなる人」ではなく、「承認欲求が強い人」に見えてしまうリスクもあります。

巻き込み型のプロモーションは、人を共犯者にしていく力を持つ一方で、距離感の設計を誤ると離脱も生みやすい。

少しだけ運用難易度が高いスタイルでもあります。

どちらが正しいかではなく、どちらをやっているか

この記事で大事なのは、どちらが正しいかではなく、どちらをやっているかを自覚することです。

  • 提供価値で選ばれたいのか。
  • 物語で応援されたいのか。
  • あるいは、その両方を扱うのか。

もし両方を扱うなら、情景は短く、理由は明確に

最後は必ず価値に着地させる。

「この人は大変そう」ではなく、「だからこの品質なんだ」と伝わる位置に落とす。

努力は前提です。

ただ、その努力をどこに置くかで、届き方は大きく変わります。

あなたの発信は今、承認欲求として消費されていますか。それとも、提供価値として理解されていますか。

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■ 「頑張ればなんとかなる」という幻想を捨てるタイミングです。

上手くいかない時、多くの人は「努力の量」を増やして解決しようとします。しかし、設計(構造)が歪んだままでは、頑張るほどに心身を削り、事態を悪化させるだけです 。 
筆者自身、積極的なPR活動をせず、紹介と「招待」だけで仕事の循環が安定する構造や、意志の力を頼らず構造的習慣化による20kg減量は、43年の実務経験から生まれた、やり方の前に「構造」を整える重要性です。

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